第1章 人間中心のテクノロジー:まさきいずみメモ
A Human-Centered Technology
テクノロジーは人を賢くする可能性がある。人間の知には限界があるが、能力によって可能性を広げる人工物——アーティファクト——を作る能力がある。それにより知を拡大できる。
テクノロジーは人を愚かにする可能性がある。テクノロジーは人間の理解を越えた。コントロールを離れたテクノロジーにより、人は情報を適切に扱えなくなっている。
会社や家庭には新しいアーティファクト(テクノロジー)が押し寄せてくる。コミュニケーションや教育、エンターテイメント、ビジネスのための新しい形態のメディアが創り出されつつある。それにより過去の社会問題が解消すると言われている。テクノロジーはエンターテイメントで人を魅了する。人間を賢くするのはエンターテイメントなのか。
本書の当初の目的は「認知のアーティファクト」がどう働くか、人間の知的能力を増強するためにはどのような原則が必要なのか議論すること。しかし、人間の認知能力が「認知のアーティファクト」よって操られているのではという疑問に変わった。 思考や行動を改善するために人間に作られたものは、物理的実体・精神いずれもアーティファクトである。
アーティファクトのテクノロジーは人間の知識と知的能力の拡大に重要である。テクノロジーは麻薬的に人々を生産的営みから遠ざけ、奴隷化することもある。
事例:筆者がコンサルタントをした企業のプロジェクト。人々を魅了するが、陥れハイテクの奴隷になりかねない。問題どころか有害である。
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筆者の主張:「人間の知の大部分はアーティファクトを作る能力から来る」
アーティファクトのうち有益なものと有害なものがあるのはなぜか。
それはテクノロジーの発展が偶発的であったため。
テクノロジーと人との、人間中心の見方を目指して
Toward a Human-Centered View of Technology and People
二種類の認知
Two Kinds of Cognition